赤ちゃんの嘔吐は色をチェック!黄色は消化器官に問題かも

育児を経験した方の多くは赤ちゃんが嘔吐してしまったことがあるのではないでしょうか?
特に月齢が低い赤ちゃんの場合は顕著となっており身体の構造が未発達ということもあって胃の内容物の逆流を上手く防ぐことができません。
そのため、時には母乳やミルクなどを飲んだ後に噴水のように吐き戻してしまったりといったことがよくあります。
こうしたケースを防ぐには赤ちゃんにゲップを促す対処法がとられていることは皆さんご存知かと思います。
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赤ちゃんの胃の容量と構造について
新生児の赤ちゃんの胃の容量はわずか30ml~50mlほどしかなく、成長とともに少しずつ大きくなっていきます。
生後6ヶ月までに120ml~200ml、生後1年で200ml~300mlまでに成長します。
図のように赤ちゃんは大人と比べて細長くなっていて、食道と胃のつなぎ目である噴門部も大人と比べてゆるく、「とっくり」の形をしています。
また、胃を固定しているじん帯もゆるいためとても不安定なので、ちょっとした刺激で嘔吐をすることがあります。
嘔吐に病気が隠れているケース
しかしながら嘔吐するということはあまり望ましい状況ではないために、場合によってはなんらかの病気に罹患している可能性も考えられるでしょう。
皆さんも酷い風邪を引いた折などには嘔吐したという経験を持つ方も多いかと思います。
ある程度成長した身体であればそれほど風邪は怖くない病気ではありますが赤ちゃんにとっては致命的となる可能性があります。
病気かどうかを判断するためには嘔吐物の色をチェックしてみましょう。
授乳後の吐き戻しであれば白い嘔吐物ですが黄色味を帯びている場合は消化器官に問題があるかもしれません。
また吐き方がいつもと違う場合にも注意が必要となります。違和感を覚えたらすぐにでも医療機関の診察を受けるようにしましょう。
赤ちゃんの嘔吐の原因
赤ちゃんはまだ生まれてからそれほど経過していないということで身体が未発達な部分も多くあります。
その一つとして消化器官を挙げることができますがそのために授乳した直後に嘔吐することが少なくありません。
これは消化器官が未熟ということで摂り込んだ内容物の逆流を防ぐことができないためです。
母乳やミルクの飲みすぎで嘔吐する
赤ちゃんの胃構造上、容量が小さくとっくりの形をしているので、母乳やミルクを飲みすぎたり、空気を一緒に飲み込んでしまった場合に嘔吐する事があります。
母乳が出すぎている場合
また、母乳の出が良いお母さんの場合、赤ちゃんが飲む速度が追い付かずにむせ返ってしまい、嘔吐する事もあります。
こうしたケースであればそれほど心配は必要とはならないものの、場合によってはなんらかの病気によって嘔吐してしまっていることも考えられます。
病気による嘔吐
赤ちゃんが病気で嘔吐する例としては、
- 腸閉塞
- 肥厚性幽門狭窄症
- 細菌性髄膜炎
- 胃腸炎
- 食中毒
- 急性中耳炎
- 喘息、気管支炎
- 頭部外傷
- 腸重積症
- 消化管閉鎖症
といった症状でも嘔吐してしまうことがあります。(
腸閉塞
腸閉塞は,腸管の通過がなんらかの原因により障害されている状態で、赤ちゃんでも多くの原因で発生します。
肥厚性幽門狭窄症
胃の出口 にある幽門筋が肥厚するために胃の出口が狭くなり、飲んだミルクが十二指腸に運ばれず胃内に停滞します。
ミルクで胃が一杯になると飲んだミルクを噴水状に 大量に吐きますが、吐いた後でも赤ちゃんは空腹感のためにさらにミルクを欲しがります。
幽門筋がなぜ肥厚するのかは正確にはわかっておりません。この病気は初めての赤ちゃんで、男の子に多くみられますが、女の子や第2子以降の赤ちゃんでもないわけではありません。
細菌性髄膜炎
細菌性髄膜炎(さいきんせいずいまくえん)とは、ヒブ[インフルエンザ菌b型:Hib]や肺炎球菌(はいえんきゅうきん)などの細菌が、脳や脊髄(せきずい)を包む髄膜(ずいまく)の奥まで入り込んで起こる病気です。と
きに命にかかわったり、重い後遺症が残ったりすることもあります。
胃腸炎
ロタウイルスやノロウイルスと言った胃腸炎は通年見られますが、特に冬から春にかけて患者さんが増加します。
ロタウイルスによる胃腸炎は乳幼児に多く見られる病気で、保育園などは集団感染しやすいため、こうした集団生活をする場に行く時には注意が必要です。
食中毒
赤ちゃんは単独で食事をとることが少ないので、一緒に食事をした親や兄弟に同じようなタイミングで症状が出ることから食中毒だとわかります。
主な症状は赤ちゃんも大人も下痢、嘔吐(おうと)、それに伴う発熱ですが、子どもの方が症状が強く出る傾向があります。
食中毒になると赤ちゃんはひどい下痢や嘔吐があり、短時間で脱水状態になってしまいます。
食中毒が疑われる症状が出たときは、水分補給に気を配りながら様子を見て、血便が出る、ぐったりしている、汗や尿が出なくなったなどの異変があれば夜間でも急いで受診してください。
赤ちゃんの脱水症状を防ぐには母乳やミルク以外にも白湯を飲ませる事も有効です。
ウォーターサーバーがあれば、万が一の時でも簡単に白湯が作れるのでおすすめです。
急性中耳炎
赤ちゃんに多い急性中耳炎のほとんどは、かぜをひいた後に見られます。
中耳の粘膜がウイルスや細菌などに感染し、炎症を起こすことが原因です。
喘息、気管支炎
小さい子ども(2~3歳くらいまで)のゼーゼーは、喘息と似た状態ではありますが、風邪が引き金になって、病気の中心は感染による気管支炎です。
風邪をひかなくなる、3歳くらいからゼーゼーすることも減ってきますので、いわゆる「小児喘息」とは、異なる分類の「乳児喘息」として考えてください。
頭部外傷
赤ちゃんはは頭デッカチで新生児では4等身しかありません。
そのため重心が頭部の方にあり、バランスも悪いので転びやすく、転ぶと頭を打ちやすいので頭部外傷を引き起こしやすいと言えます。
また乳幼児の頭蓋骨は柔らかく骨と骨の間もしっかり固定されていないので、頭蓋内の多少の出血は骨と骨の隙間が開くことで緩衝し、症状がでにくいことがあります。
腸重積症
腸重積症は小腸の終りの腸である回腸が大腸に入り込むために生じます。
回腸が大腸に入る(これを腸重積といいます)原因としては腸に分布しているリンパ組織が腫れて大きくなり、この部分から大腸に入っていくと考えられています。
消化管閉鎖症
生まれつき腸(十二指腸,空腸,回腸)の一部が途切れている腸閉鎖と狭くなっている腸狭窄 があり、あわせて腸閉鎖症・狭窄症といいます。
新生児で手術が必要な病気のうちでは直腸肛門奇形についで多く見られます。
いつもと様子が違う時はすぐに受診を
こうしたなんらかの病気を原因として嘔吐するケースでは、赤ちゃんの様子もいつもと違うことが多いためによく観察するようにしましょう。
嘔吐の内容物の色がいつもとは違ったり、または噴水のように遠くまで飛ぶような勢いで嘔吐した場合は注意が必要となってきます。
その他の病気によっても嘔吐してしまうことがあるために、嘔吐した赤ちゃんに違和感を覚えるようであればすぐにでも医療機関の診察を受けたほうが良いでしょう。
その際にはなるべく赤ちゃんや嘔吐の様子をメモしておくことで受診にスムーズに対応することができます。
赤ちゃんが嘔吐した時の注意点
赤ちゃんが嘔吐した時の注意点は、吐き方によって赤ちゃんの健康状態が違うということです。
赤ちゃんが母乳やミルクを飲んだ後、吐いてしまうのは、あまり心配する必要はありません。
しかし、警戒すべきなのは、毎日の吐く回数が増えてきている場合です。
飲むたびに苦しそうに吐いている場合、すぐに病院へ連れていくことです。
赤ちゃんの嘔吐で、くしゃみをしたり咳をした後に吐いてしまう場合も注意が必要です。
毎日のように嘔吐して、同時におしっこやうんちの量が少なくなっている場合も、病院へ連れてくべきです。
赤ちゃんが嘔吐は、吐いた後の様子によっては、すぐに病院へ連れていく必要があるので、普段との違いにすぐに気づいてあげることが大事です。
そのためには、日頃からよく観察しておく必要があります。
特に、吐く回数や量が少なくても、発熱していたり、痙攣をおこしているような場合は、たとえ診療時間外であっても、すぐに病院へ連れていくことです。
授乳のたびに赤ちゃんが嘔吐し、激しく泣いたりしてぐったりとしている場合も注意が必要です。
とにかく、いつもと様子が違うと感じたら、すぐに病院へ連れていきましょう。